台湾をめぐる国内外の政治情勢が激しく変動した時代であった。1971年国連の「中華民国」としての代表権は、正式に「中華人民共和国」に取り代われ、国際社会における「一つの中国」は、中華人民共和国になった。1975年4月5日、蒋介石が他界し、蒋経国が引き継いだ。1979年1月、米国は中華民国との国交を断絶した。これは、国民党政権が台湾に移った後、最大の外交挫折であった。有識者たち、いわゆる国民党曰く、「党外」の人々は、国を生き残らせるため、政府に改革を求めた。自由、民主の改革を求められた国民党当局は依然として、高圧の手段を使い、国民を抑えようとしている。その流れで、「美麗島事件」、「陳文成事件」、「江南事件」等、国際社会に衝撃を与えた事件であった。